
認知症の親の銀行口座が凍結されたら?家族ができる引き出しと事前の備え【2026年版】
認知症の親の銀行口座が凍結されたら?家族ができる引き出しと事前の備え【2026年版】
「離れて暮らす親に認知症の症状が出てきた。介護費用は親の預金から出したいが、口座が凍結されると聞いて不安になった」 大阪をはじめ関西エリアの子世代の方から、こうしたご相談が増えています。厚生労働省の資料によると、高齢化の進行にともない認知症のある高齢者は今後も増加が見込まれるとされており、「親のお金をどう守り、どう使えるようにしておくか」は、多くのご家庭にとって身近な課題になりつつあります。
この記事では、「認知症 親 口座凍結」で情報をお探しの子世代の方に向けて、銀行口座が凍結される仕組み、凍結される前にできる4つの備え、凍結後の対応方法を整理して解説します。あわせて、見守りから身元保証まで一貫して支援するNPO法人いきいきつながる会のサポートもご紹介します。
認知症で銀行口座が「凍結」されるのはなぜ?
銀行口座の凍結というと相続発生時(口座名義人が亡くなったとき)を思い浮かべる方が多いのですが、実は名義人が存命でも、認知症などで判断能力が低下したと銀行が判断した場合、取引が制限されることがあります。
預金は名義人本人の財産であり、銀行は本人の意思確認ができない状態でお金を動かすことができません。窓口での会話や手続きの様子から判断能力の低下が分かった場合、本人保護のために出金・解約・振込などが制限されます。これがいわゆる「口座凍結」です。
凍結されると、たとえ家族であっても親の口座から介護費用や施設入居費を引き出せなくなり、立て替えが長期化するケースも見られます。だからこそ、親が元気なうちの備えが大切になります。
凍結される前にできる4つの備え(比較)
2026年現在、家族が利用できる主な備えは次の4つです。それぞれ役割と費用感が異なります。
| 方法 | できること | 費用の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 代理人カード・代理人登録 | 日常の入出金を家族が代行 | 原則無料〜少額(銀行による) | 判断能力があるうちの日常資金管理 |
| 任意後見制度 | 本人が選んだ人が財産管理・契約を代理 | 公正証書作成に数万円程度+発効後は監督人報酬 | 本人の意思で任せる相手を決めたい |
| 家族信託(民事信託) | 財産の管理・処分を家族に託す | 専門家報酬など初期費用がまとまってかかる | 不動産を含む財産を柔軟に管理したい |
| 日常生活自立支援事業 | 日常的な金銭管理・書類預かりを社会福祉協議会が支援 | 相談は無料、援助は1回あたり千円程度(地域差あり) | 軽度の判断能力低下で身近な支えがほしい |
代理人カード・代理人登録
多くの銀行では、本人に判断能力があるうちに手続きすれば、家族用の代理人カードの発行や代理人の事前登録ができます。手軽な一方、銀行ごとに制度の有無や範囲が異なり、本人の判断能力が失われた後は使えなくなる場合もあるため、取引銀行への確認が第一歩です。
任意後見制度
本人が元気なうちに「将来、判断能力が低下したら誰に何を任せるか」を公正証書で契約しておく制度です。発効後は家庭裁判所が選任する任意後見監督人がつきます。制度の詳しい仕組みは「成年後見制度とは?法定後見・任意後見の違いと費用・手続きを徹底解説」もあわせてご覧ください。
家族信託(民事信託)
親の財産の管理・処分の権限を、信頼できる家族に契約で託す方法です。認知症が進んでも、受託者となった子が信託契約の範囲で預金の管理や不動産の売却などを続けられる点が特徴とされています。設計の自由度が高い反面、専門家への報酬など初期費用がまとまってかかるため、財産の内容と目的に合うかの見極めが重要です。
日常生活自立支援事業
判断能力に不安がある方の通帳預かりや日常的な金銭管理を、社会福祉協議会が支援する公的な事業です。2026年現在、相談は無料、援助は1回あたり千円程度の利用料が目安とされていますが、内容や料金は地域によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村の社会福祉協議会にご確認ください。
すでに凍結されてしまったら|家族ができる2つの対応
全国銀行協会の考え方に基づく「使途限定の引き出し」相談
全国銀行協会は2021年に、認知症などで本人の意思確認が難しい場合の対応についての考え方を公表しています。医療費・介護施設の費用など、本人の利益であることが明らかな使途に限り、親族による代理出金に柔軟に対応するという方向性が示されており、請求書や領収書を用意して銀行に相談することで、支払いに応じてもらえる場合があります。ただしこれはあくまで各銀行の参考となる考え方であり、対応は銀行ごとに異なる点に注意が必要です。
成年後見制度(法定後見)の利用
判断能力が失われた後の本格的な財産管理は、家庭裁判所に申し立てて後見人を選任してもらう法定後見が原則的な方法とされています。申立費用や後見人報酬の目安は「成年後見人の費用シミュレーション|申立費用・月額報酬・実費を関西事例で完全解説」で詳しく解説しています。
失敗しないための3つのチェックポイント
-
親の取引銀行と口座を早めに把握する
- どの銀行にいくつ口座があるか、年金の振込口座はどれか
- 代理人カードや代理人登録の制度があるかを銀行に確認
-
「日常のお金」と「大きな財産」を分けて備える
- 日常の生活費は代理人カードや日常生活自立支援事業でカバー
- 不動産の処分や施設費用のようなまとまったお金は任意後見・家族信託で備える
-
親本人の意思を確認しながら家族で話し合う
- 備えはいずれも本人の判断能力があるうちにしかできないものが中心です
- 帰省のタイミングなどで、お金の話とあわせて見守りや身元保証の体制も決めておくと安心です
一人暮らしの親の生活面が心配な方は、「認知症の親の一人暮らしはいつまで続けられる?限界サインと支える支援体制【2026年版】」も参考になります。
いきいきつながる会のサポート
「お金の備えだけでなく、日々の見守りや入院時の対応まで誰に頼めばいいのか分からない」 そんなご相談に、NPO法人いきいきつながる会は大阪を拠点に関西エリアでお応えしてきました。
- 見守り・生活支援: 定期訪問による安否確認と生活のサポート
- 身元保証: 入院・施設入所時の緊急連絡先や手続きの支援
- 終活・死後事務: 将来の手続きまで見据えた備えのご相談
NPO法人として、営利目的ではなく地域の高齢者支援を続けてきた実績があります。金銭管理の制度そのものは司法書士など専門職と連携しながら、生活面の支えから将来の備えまでワンストップでご相談いただけるのが当会の強みです。
よくある質問(FAQ)
Q. 親が認知症と診断されたら、すぐに口座は凍結されますか?
A. 診断された事実だけで自動的に凍結されるわけではありません。銀行が窓口での様子などから本人の意思確認が難しいと判断したときに、取引が制限されるのが一般的です。ただし、いつ制限されるかは予測できないため、早めの備えをおすすめします。
Q. キャッシュカードの暗証番号を知っていれば、家族が引き出しても問題ありませんか?
A. 本人の生活費や医療費のためであっても、後から他の親族との間で使い込みを疑われるトラブルになる例があります。出金の記録や領収書を残す、制度を利用して権限を明確にするなど、透明性のある管理が大切です。
Q. 成年後見と家族信託はどちらを選べばよいですか?
A. 本人の状況と目的によって異なります。すでに判断能力が失われている場合は法定後見が原則的な選択肢となり、元気なうちに柔軟な財産管理を設計したい場合は家族信託や任意後見が候補になります。判断が難しい場合は専門職と連携する相談窓口の活用をおすすめします。
Q. 年金の受け取りも凍結の影響を受けますか?
A. 年金は凍結された口座にも振り込まれ続けますが、引き出しが制限される点は同じです。生活費の受け取り口座こそ、代理人登録などの備えを優先したい部分です。
Q. 遠方に住んでいても、いきいきつながる会に相談できますか?
A. はい。大阪・兵庫・京都・奈良など関西にお住まいの親御さまについて、遠方の子世代の方からのご相談も多くお受けしています。お電話やオンラインでのご相談も可能です。
まとめ|口座凍結対策は「日常・大きな財産・生活の支え」の3層で
認知症による口座凍結への備えは、次の3層で考えると整理しやすくなります。
- 日常のお金: 代理人カード・代理人登録、日常生活自立支援事業
- 大きな財産: 任意後見制度、家族信託
- 生活の支え: 見守り・身元保証・入院時対応の体制づくり
いずれも、親が元気なうちに動き始めることで選択肢が広がります。制度は変更される可能性がありますので、最新の内容は金融機関やお住まいの自治体・地域包括支援センターにもご確認ください。
「何から手をつけてよいか分からない」という方は、お気軽に無料相談をご利用ください。いきいきつながる会では、見守りから身元保証、終活、死後事務まで一貫してサポートし、関西エリアで多くのご家族に伴走してまいりました。