「誰かと話したいけれど、話す相手がいない」
「日中、ほとんど人と会わない日が続いている」
そんなさみしさを感じている高齢者が、今の日本では少なくありません。
かつては家族や地域の中で自然に支え合っていた暮らしが、
核家族化や都市化によって変化し、高齢者の孤立という新しい課題が生まれています。
この記事では、内閣府の高齢社会白書をもとに、
高齢者の孤独と孤立の現状をわかりやすく整理します。
孤独と孤立は、誰にでも起こりうること
内閣府の調査によると、
60歳以上の高齢者のうち、**およそ4人に1人が「日常生活で孤独を感じることがある」**と答えています。
孤独の感じ方には個人差がありますが、
その背景には次のような共通点が見られます。
- 配偶者との死別や離別
- 子どもが遠方に住んでおり、会う機会が減った
- 退職後、社会との関わりが減少した
- 体調や足腰の衰えで外出が減った
- 近所づきあいが少なくなった
特に都市部では「近所に誰が住んでいるかわからない」という環境が多く、
大阪や神戸などの大都市圏でも、**“人が多いのに孤立している”**という現象が進んでいます。
孤独は心の問題にとどまらず、健康や生きがいにも影響を及ぼします。
研究では、「人との交流が少ない高齢者ほど、うつや認知症のリスクが高まる」ともいわれています。
孤立が深まると、支援が届きにくくなる
「孤独」と「孤立」は似ていますが、意味が少し違います。
孤独は“心理的なさみしさ”であり、孤立は“物理的・社会的なつながりの欠如”です。
孤独な状態が続き、地域や家族との関係が途絶えてしまうと、
いざというときに誰も気づけなくなります。それが孤立の怖さです。
実際に、孤立が深まると次のようなリスクが増えます。
- 病気や転倒の際に助けを呼べない
- 通院や買い物が難しくなり、生活の質が低下する
- 介護や福祉サービスの利用につながらない
- 孤独死(誰にも看取られずに亡くなる)につながる
こうした事例は、大阪府内でも決して珍しくありません。
特に都市部のマンションや団地では、
「数週間後に発見された」という孤独死の報道が後を絶ちません。
「誰にも迷惑をかけたくない」が孤独を深める
多くの高齢者は「助けてほしい」と思っているわけではありません。
むしろ、「迷惑をかけたくない」「自分のことは自分で」という気持ちが強く、
それがかえって孤立を深めてしまうのです。
- 子どもが遠方に住んでいても、心配をかけまいと体調を隠す
- 近所付き合いを遠慮して、交流が減る
- 保険や介護サービスを使うのを「申し訳ない」と感じる
その結果、周囲が異変に気づけず、体調悪化や孤独死につながるケースもあります。
「迷惑をかけたくない」という優しさが、誰にも助けを求められない状況を生んでしまう。 これは日本社会全体が抱える課題でもあります。
孤独死を防ぐために必要な“つながり”
孤独死を防ぐカギは、「人と人とのつながり」を絶やさないことです。
それは必ずしも家族や友人でなくても構いません。
地域や支援団体、法人など「誰かが見守ってくれている」という安心が命を守ることにつながります。
近年は、自治体や企業による見守り活動も広がっています。
大阪市・堺市では高齢者見守りネットワークが整備され、
電力・ガス会社も「見守りプラン」を導入しています。
ただし、これらの制度は「安否確認」まではカバーできても、
実際に何かが起こったときに駆けつけて支援する存在までは補えません。
そこで注目されているのが、
法人による身元保証・見守り・緊急対応の仕組みです。
いきいきつながる会が支える“安心のしくみ”
いきいきつながる会では、
「孤独死をなくし、人生の最期まで安心を支えたい」という理念のもと、
次のような包括的なサービスを提供しています。
▶ 身元保証サービス
入院・施設入所・賃貸契約などで必要な保証人を法人が引き受けます。
「保証人がいないから契約できない」という不安を解消し、住まいや医療の継続を支えます。
▶ 見守り・緊急時対応
定期的な電話・訪問で安否確認を行い、
異変があればスタッフが駆けつけ、病院や行政との連携も行います。
「もしもの時も、誰かが動いてくれる」
これが孤独死を防ぐ最前線の仕組みです。
▶ 旅立ちサポート
ご逝去後の行政手続き、葬儀、納骨、永代供養までを支援。
特に、高野山・奥の院の慰霊碑では、
会員やご縁のあった方の御霊を永く祀っています。
「最後のときも、誰かが見届けてくれる」安心を提供します。
「孤立しない社会」は、人のやさしさから生まれる
孤独や孤立は、特別な人だけの問題ではありません。
誰もが年齢を重ねる中で、ふと「一人になってしまった」と感じる瞬間が訪れます。
しかし、“つながり”は自分から作ることもできるし、支えてくれる仕組みもあるのです。
いきいきつながる会は、見守り・保証・旅立ち支援を通じて、
「孤立を防ぐ社会の循環」をつくる活動を続けています。
それは、亡くなったあとだけでなく、“生きている今”を支える活動でもあります。
孤独をなくすのは、「つながること」から
- 孤独・孤立は誰にでも起こりうる
- 孤独死を防ぐには、人とのつながりが不可欠
- 家族が遠方でも、法人の支援で安心を確保できる
- いきいきつながる会は「生きる」と「旅立ち」を両面から支える
孤独を完全にゼロにすることはできなくても、
“誰かが見てくれている”という安心があれば、
人はもっと穏やかに暮らしていけます。
孤立しない社会をめざして。 今日から「つながる」一歩を踏み出してみませんか?
