
介護保険の自己負担は1割・2割・3割どう決まる?負担を抑える制度と2027年度の見直し議論【2026年】
介護保険の自己負担は1割・2割・3割どう決まる?負担を抑える制度と2027年度の見直し議論【2026年】
「親の介護サービスの請求額が思ったより高い」「自分は1割なのか2割なのか、どこで決まっているのか分からない」——介護保険の自己負担をめぐるこうした疑問は、サービスを使い始めたご本人にも、大阪など関西で離れて暮らす親を支える子世代にも共通する悩みです。
介護保険の自己負担割合は所得に応じて1割・2割・3割に分かれており、同じサービスを使っても人によって支払額が大きく変わります。さらに2026年現在、2割負担の対象を広げるかどうかの議論が国で続いており、今後の改正動向にも注意が必要です。
この記事では、2026年現在の自己負担割合の決まり方、負担を抑えるために使える制度、そして2027年度に向けた見直し議論の現在地を解説します。
自己負担割合はどう決まる?
介護保険サービスを利用すると、かかった費用のうち所得に応じた割合を自己負担します。65歳以上の方(第1号被保険者)の負担割合は、前年の所得をもとに市区町村が判定し、毎年7〜8月頃に交付される介護保険負担割合証で確認できます。
2026年現在、判定のおおまかな目安は次のとおりとされています。
| 本人の合計所得金額 | 世帯の年金収入等の状況(65歳以上) | 負担割合 |
|---|---|---|
| 160万円未満 | — | 1割 |
| 160万円以上220万円未満 | 年金収入とその他の合計所得の合計が単身280万円(2人以上世帯346万円)未満 | 1割 |
| 160万円以上220万円未満 | 上記の基準以上 | 2割 |
| 220万円以上 | 年金収入とその他の合計所得の合計が一定額未満 | 1割または2割 |
| 220万円以上 | 一定額以上 | 3割 |
合計所得金額とは、収入から必要経費や給与所得控除などを差し引いたあと、基礎控除などを差し引く前の金額です。また、40〜64歳の方(第2号被保険者)は、所得にかかわらず1割負担とされています。
判定は世帯構成や所得の種類によって細かく分かれるため、ご自身の割合は負担割合証と、お住まいの市区町村の案内でご確認ください。介護保険の申請からサービス利用までの流れは「介護保険の基本をわかりやすく解説」で解説しています。
具体例でイメージする
たとえば、収入が年金のみで年240万円の単身の方は、合計所得金額が160万円を下回るため1割負担が目安です。一方、年金収入に加えて不動産収入などがあり、合計所得金額が160万円以上で、年金収入とその他の合計所得の合計が280万円を超える単身の方は、2割負担となる可能性があります。同じ「月2万円分のサービス」を使っても、1割の方は2千円、2割の方は4千円、3割の方は6千円と、支払額に倍以上の差が生じます。
負担割合が変わるタイミングに注意
負担割合は前年の所得で毎年見直されます。退職金の受け取りや不動産の売却などで一時的に所得が増えると、翌年度の負担割合が上がることがあります。逆に、所得が下がれば翌年度に戻ります。「去年と請求額が違う」と感じたら、まず負担割合証を確認しましょう。
負担を抑えるために使える3つの制度
自己負担が重くなっても、上限や軽減の仕組みを使うことで家計への影響を抑えられます。前提として、介護保険には要介護度ごとに1か月に保険で使える上限(区分支給限度基準額)があり、限度額の範囲内なら1〜3割の自己負担、限度額を超えて使った分は全額自己負担になります。また、施設やショートステイの食費・居住費、日常生活費はもともと保険の対象外で、負担割合にかかわらず自己負担です。そのうえで、次の3つの制度を押さえておきましょう。
- 高額介護サービス費——1か月の自己負担の合計が上限額を超えた場合、超えた分が申請により払い戻される制度です。2026年現在、上限額は所得区分に応じて月24,600円〜140,100円(一般的な所得の世帯では月44,400円)とされています。一度申請すれば、以降は自動的に振り込まれる自治体が多くあります。
- 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)——特別養護老人ホームなどの施設やショートステイを利用する際の食費・居住費は介護保険の対象外ですが、住民税非課税世帯などの要件を満たすと、申請により負担が軽減されます。特養の費用については「特養に入るには?入所条件・申込みの流れ・待機期間」もご覧ください。
- 高額医療・高額介護合算制度——同じ世帯で医療費と介護費の両方がかかっている場合、年間の合計額が基準を超えた分が払い戻されます。医療と介護が重なるご家庭ほど効果が大きい制度です。
このほか、社会福祉法人による利用者負担軽減や、市区町村独自の助成を設けている地域もあります。大阪府内でも自治体ごとに内容が異なるため、地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口で確認してみてください。
2027年度に向けた「2割負担の対象拡大」議論の現在地
介護保険制度は3年ごとに見直され、次の第10期介護保険事業計画は2027年度に始まります。その最大の論点の一つが、2割負担の対象拡大です。
2026年10月時点では、対象拡大はまだ決まっていません。これまでの経緯を整理すると次のとおりです。
- 2割負担の対象を広げるかどうかは結論が先送りされてきており、2027年度までに結論を出す方針が示されています
- 2026年6月の財政制度等審議会の建議では、対象拡大を早急に進めるよう提案されました
- 厚生労働省の審議会では、拡大する場合の配慮措置として、負担増を当面の間一定額までに抑える案や、預貯金が一定額以下の方は申請により1割に戻せる案などが検討されていると報じられています
つまり、「拡大の方向で議論は進んでいるものの、対象範囲も実施時期も確定していない」というのが現在地です。今後の予算編成や審議会の議論で具体化していく見込みのため、確定情報は厚生労働省の発表でご確認ください。当会のブログでも、制度が決まり次第お伝えしていきます。
いきいきつながる会の支援内容
NPO法人いきいきつながる会は、大阪を拠点に関西(大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山)で高齢者支援を行っています。介護保険の負担をめぐっては、次のようなお手伝いができます。
- 「どの制度が使えるのか分からない」という段階からの相談と、窓口手続きへの同行支援
- 介護保険では頼めない買い物・通院同行などの生活支援
- 一人暮らしの方の見守りと、体調変化があったときの対応
- 入院・施設入所時の身元保証、終活・死後事務までの長期サポート
制度の利用相談から日々の生活支援、将来の備えまでを一つの窓口で支えられるワンストップ支援が当会の強みです。NPO法人として営利目的ではなく活動を続けてきました。
よくある質問(FAQ)
Q. 自分の負担割合はどこで確認できますか?
A. 毎年7〜8月頃に市区町村から届く介護保険負担割合証に記載されています。手元にない場合は、市区町村の介護保険窓口で再交付を受けられます。
Q. 夫婦のどちらかだけ所得が高い場合、2人とも2割になりますか?
A. 負担割合は原則として本人ごとに判定されますが、世帯内の65歳以上の方の収入状況が判定に影響する場合があります。世帯構成によって結果が変わるため、市区町村に確認するのが確実です。
Q. ケアプランの作成にもお金がかかりますか?
A. 2026年現在、ケアマネジャーによるケアプラン作成に自己負担はありません。ただし、将来の制度改正で有料化が議論されたこともあり、動向には注意が必要です。
Q. 高額介護サービス費はどうやって申請しますか?
A. 上限額を超えた月があると、多くの自治体では対象者に申請書が郵送されます。初回に口座を登録して申請すれば、2回目以降は自動的に払い戻される運用が一般的です。
Q. サービスをたくさん使うと、負担割合も上がりますか?
A. 上がりません。負担割合は前年の所得で決まり、サービスの利用量では変わりません。ただし、要介護度ごとの支給限度額を超えて使った分は全額自己負担になるため、ケアマネジャーと相談しながら限度額の範囲で組み立てるのが基本です。
Q. 施設の食費や部屋代にも上限はありますか?
A. 食費・居住費は高額介護サービス費の対象外ですが、住民税非課税世帯などの要件を満たせば、負担限度額認定により軽減を受けられます。入所前に認定申請を済ませておくと安心です。
まとめ|「自分の割合」と「使える軽減制度」を確認しておく
介護保険の自己負担は、①前年の所得で決まる負担割合を負担割合証で確認する、②高額介護サービス費などの軽減制度を漏れなく申請する、③2027年度に向けた見直し議論の行方を押さえておく、という3つの視点で備えると安心です。制度の内容は改正により変更される可能性がありますので、最新の情報は市区町村や地域包括支援センターでご確認ください。
いきいきつながる会では、介護にまつわる相談から生活支援、見守り、身元保証、死後事務まで一貫してサポートしています。「請求額が適正なのか見てほしい」「手続きを手伝ってほしい」という方は、お気軽に無料相談をご利用ください。