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    離れて暮らす家族介護の現実。家族介護を助ける仕組みと地域

    離れて暮らす家族介護の現実。家族介護を助ける仕組みと地域

    2025年10月27日介護・福祉管理者7分で読めます

    「年に数回しか実家に帰れないけど、母のことが心配」
    「何かあっても、すぐに駆けつけられない距離にいる」
    そんな思いを抱えている方は少なくありません。

    大阪や関西でも、親が地元で一人暮らしを続け、
    子どもは仕事の関係で離れて暮らしているという家庭は多いです。
    いま、“介護する家族”自身も支えが必要な時代です。

    この記事では、遠方介護をめぐる課題と、
    その負担を軽くするための新しい福祉のかたちを紹介します。

    離れて暮らす家族介護の現実

    介護は「突然」始まります。
    親が転倒した、入院した、認知症の兆しが見え始めた... そうしたきっかけで、離れて暮らす家族が介護に関わることになります。

    しかし、遠距離介護は想像以上に大変です。

    • 定期的な通院や買い物の付き添いが難しい
    • 急な入院やトラブルへの対応が遅れる
    • 介護サービスや地域包括支援センターとの調整が負担になる
    • 自分の生活・仕事との両立が難しい

    特に関西圏では、都市部に住む子どもと、郊外や地方に住む親というケースが多く、
    「都市部の子どもが遠方の親を支える」ような構図が一般的です。
    交通の便がよいとはいえ、頻繁に通うのは現実的に難しい... そんなジレンマを抱えている方が多いのではないでしょうか。

    介護する家族が“疲れていく”理由

    厚生労働省の調査によると、介護をしている家族の約6割が「心身の負担を感じている」と答えています。
    その理由として挙げられるのが、**「孤立」「責任感」「情報不足」**の3つです。

    1. 孤立感
       自分以外に頼れる人がいない、話を聞いてもらえる人がいない。
       介護は“24時間の見えないストレス”を生みます。

    2. 責任感の重さ
       遠方にいると、何かあった時に「自分のせいだ」と感じてしまうことも。
       親を想うほど、責任を一人で背負ってしまう傾向があります。

    3. 情報不足
       介護サービスや支援制度を知らずに、自分たちだけで抱え込んでしまう。
       「もっと早く知っていれば」と後悔するケースも少なくありません。

    介護は「家族の愛情」だけでは続けられない。
    だからこそ、**“支える人を支える仕組み”**が必要です。


    地域福祉だけでは届かない部分も

    もちろん、自治体や地域包括支援センターも高齢者支援に力を入れています。
    大阪府や堺市などでは、見守りネットワーク・訪問支援・介護保険サービスが整備されています。

    しかし、それでも“家族の代わり”にはなりきれません。
    地域福祉は「相談」や「日常的な安否確認」まではできますが、
    入院手続き・施設入所・賃貸契約などの法的・実務的な保証行為まではカバーできないのです。

    こうした「制度のすき間」を埋める存在として、
    今、注目されているのが民間・NPOによる見守り・身元保証サービスです。


    第三者が支える“新しい福祉のかたち”

    「親の代わりに見守ってくれる人がいる」
    「入院や施設入所のときに、保証人になってくれる法人がある」
    それが“第三者による支援”の大きな安心です。

    いきいきつながる会では、
    高齢者やその家族が抱える「もしもの時の不安」を解消するために、
    以下のようなサービスを提供しています。

    ▶ 身元保証サービス

    入院・施設入所・賃貸契約など、保証人が必要な場面で法人が引き受け。
    家族が遠方に住んでいても、手続きがスムーズに進められます。

    ▶ 見守りサービス

    定期的な電話・訪問によって、生活の様子を確認。
    異変があれば、スタッフがすぐに対応・連絡します。

    ▶ 緊急時対応

    倒れた・入院したなどの緊急事態には、スタッフが病院に駆けつけ、
    手続きや連絡を代行します。

    ▶ 旅立ちサポート

    ご逝去後の行政手続き、葬儀、納骨、永代供養までを支援。
    「最後まで見守ってくれる」という安心感が得られます。

    「家族の負担を減らす」ためにできること

    遠方介護を完全にゼロにすることはできません。
    しかし、信頼できる第三者に一部を任せることで、
    家族が“全部抱え込まない”介護が実現します。

    家族ができるステップ

    1. 親の住む地域の支援窓口(包括支援センターなど)を把握する
    2. 介護サービス・訪問支援・配食などを早めに手配しておく
    3. 緊急時に連絡できる法人や団体(身元保証サービス)を登録しておく

    たとえば、親御さんが大阪に住み、子どもが東京にいる場合でも、
    「いきいきつながる会」が現地で対応できることで、
    離れていても“安心の連携体制”が整います。

    家族が安心して支えられる社会へ

    「介護をしている家族を、どう支えるか」
    これは、これからの日本の福祉が抱える大きなテーマです。

    遠方介護をしているご家族にとって、
    “親のために何かしたい”という思いは強くても、
    現実には時間・距離・仕事の制約があります。

    そんな時、**第三者の支えを受け入れることは「手放すこと」ではなく「備えること」**です。

    いきいきつながる会は、
    高齢者だけでなく、その家族の安心も守る存在として、
    大阪を中心に関西全域で活動を行っています。


    まとめ

    • 遠距離介護では「家族の心身の負担」が大きい
    • 行政・地域支援だけでは、保証や緊急対応まではカバーできない
    • 法人による見守り・身元保証サービスを活用することで安心が広がる
    • 「支える家族」もまた、支えられるべき存在

    親を思う気持ちを大切にしながら、
    家族みんなが笑顔で過ごせるように。

    「支える人が、支えられる」 そんな新しい福祉の形を、いきいきつながる会はこれからも広げていきます。